MV AGUSTA 125Sの火花が飛ばなくなってしまったとの事で修理依頼です。

MV AGUSTAが1975~1977年に作っていた車両とのことです。
本国では125Sportとして売られていたそうなので…正式名称は125スポルトなのかな?

まずは現状確認。
キーシリンダーやメインハーネスの不良を排除するために仮の配線を組み点火系のみを独立させてテストしますが、やはり火花は飛びません。

資料が全く手に入らなかったので他車種を修理した経験から怪しい箇所を探します。
CDIに関しては資料なしではチェックが出来ないのでコイル系を先にチェック。
各パーツの抵抗値や絶縁値、クランキング時の発電電圧を確認していったところエキサイターコイルの抵抗値と発電電圧が怪しいのでそこをチェック。

フライホイールを外してコイルを確認したところ…

これは既に巻き直しされています…
使っている材料や仕上げもでたらめなので見様見真似で歴代のオーナーの誰かが巻いたのでしょう…

お客様に確認したところ、元々始動性やアイドリングが不安定だったが古い車両なのでこんなものなのだろうと思っていたそうです。
このコイルでは低回転時の発電が足りずに火花が非常に弱くなっていた事でしょう。

できれば電装専門の業者にコイルの巻き直しを依頼したいのですが…
資料がなく、現在のコイルも間違った巻き方をされているのでデータが取れないので当店でテストしながら巻き直しました。

コイルを巻いて抵抗値を確認、クランキング時の発電量を確認して巻数調整を行いました。

納得行く数値が出るようになったので保護のためにワニスと綿糸で固めて組付け。

元通りに組み付けて完成です。

修理後はキック一発で始動し始動直後からアイドリングも安定。
お客様にもご納得いただける事でしょう!