GSX250FX気づいたら緑色の液体がシリンダーから垂れていたとの事です。
その前にもエンジンからボコボコと音がして変な匂いがしたとの事ですので冷却水が沸騰してしまったのは間違いなさそうです。
車両をお預かりして状況を確認してみると…
シリンダーヘッドガスケット部分から冷却水が漏れた形跡があります。
タンクを外してラジエターキャップを確認すると水が減っています。
水を補充してエンジンをかけたところラジエターキャップからポコポコと泡が…
ヘッドガスケットが抜けてエンジンの排気が冷却水内に回っている症状です。
シリンダーベースガスケット部分からのオイル漏れもあったのでベースガスケットの同時交換を提案させていただき、両方の作業を行うこととなりました。
早速エンジンを開けていくと…
カム山にけっこう酷いカジリが…
このまま再使用も不可能ではないですが、ここまで深いキズが発生していると、徐々にカムや受けが削れていきますので車両を長持ちさせるために交換が必要です。
しかし、新品でカムシャフト2本交換となるとなかなかの金額に…^^;
お客様と相談のうえ、中古のカムシャフトで交換となりました。
GSX250FXとして中古部品の入手は絶望的ですが…GSX250FXはバリオス2のOEM車両です。
更にカムシャフトに関してはバリオス1の途中から全て共通部品となります。
バリオスは大人気車種ですので部品の流通が多く、程度の良いカムシャフトを入手することが出来ました。
後は新品ガスケットを組み付け、各部調整して修理完了です。
中古で購入した車両との事ですが、ガスケット抜け、カムシャフトのカジリ共に暖機不足が考えられます。
現在のオーナー様はちゃんと暖機運転を行ってくださっていますが前オーナー、もしくはショップでエンジン始動直後に高回転を回す空ぶかし等を行っていた可能性がありますね…
その他、エンジン周りの部品にも一部年式違いの部品が使われていたり、おかしな箇所がありましたのでご説明させて頂き作業終了となります。
愛車を長く乗るためにも暖機を心がけましょう！
住宅街等なかなか出来ない事も多いでしょうしアイドリングで何分も待つ必要はありません。
エンジンかけてしばらくは高回転を回さずアクセルをあまり開けずに走るように心がけてください。
走りながら暖機を行うことでエンジンだけでなくサスペンションやタイヤの暖機にも繋がります！
余談ですが…
バイク屋、車屋でもエンジンをかけた直後に高回転まで空ぶかしをする店があります。
メカニックが行うのは論外ですが…営業スタッフに知識がなくそういった扱いをしてしまっている場合があります。
車両購入時などにエンジンをかけてもらう際には、車両の扱い方も見てみると良い店を探す判断材料になるかもしれません！
